私は唇をかみしめて栄太を見上げた 栄太は困った顔をしていた そして、ゆっくりと話し始めた 「ありがとう…でも、京都は危険だ…君を危ない目にはあわせられない」 「いいの!死んだっていい!」 「馬鹿言うな!!」 突然栄太は大きい声を出した 私はびっくりして、栄太を見つめた 私の目には恐怖の色がにじみ出ていたのか、栄太ははっとしたように 「あ…ごめん…」 と謝った 私は、溢れそうになる涙をこらえるのに精いっぱいだった 私じゃ、何もできない 悔しくて…悔しくて…