150年前の勿忘草



私は唇をかみしめて栄太を見上げた


栄太は困った顔をしていた


そして、ゆっくりと話し始めた


「ありがとう…でも、京都は危険だ…君を危ない目にはあわせられない」


「いいの!死んだっていい!」


「馬鹿言うな!!」


突然栄太は大きい声を出した


私はびっくりして、栄太を見つめた


私の目には恐怖の色がにじみ出ていたのか、栄太ははっとしたように


「あ…ごめん…」

と謝った


私は、溢れそうになる涙をこらえるのに精いっぱいだった


私じゃ、何もできない


悔しくて…悔しくて…