わたしは大きくうなずいた 「だったら、現実だよ、僕と君がここにいること」 やっと冷静になった私は、改めて栄太の顔を見た 今更ながら、ドキドキと心臓が暴れだす ほんと、夢みたい 「金平糖、いる?」 髪の袋を懐から取り出し、私に手を出すように催促する 言われるがまま、私は両手を差し出した 色とりどりの粒が数個、掌にこぼれた 「ありがとう…ございます」 「いえいえ」 栄太も金平糖を口に入れてがりがり噛んだ