150年前の勿忘草



わたしは大きくうなずいた


「だったら、現実だよ、僕と君がここにいること」


やっと冷静になった私は、改めて栄太の顔を見た


今更ながら、ドキドキと心臓が暴れだす


ほんと、夢みたい


「金平糖、いる?」


髪の袋を懐から取り出し、私に手を出すように催促する


言われるがまま、私は両手を差し出した


色とりどりの粒が数個、掌にこぼれた


「ありがとう…ございます」


「いえいえ」


栄太も金平糖を口に入れてがりがり噛んだ