「おい、これやっとけ!」



『はい!かしこまりました!』



私、三城楓(カエデ)22歳、先日大学を卒業し晴れ晴れしい社会人デビューをいたしました。



「つぎ、これな。」



『はい!!』



卒業間近まで、内定をもらえず焦っていた所幸運にも今の仕事に出会い、晴れて就職することができ…



まぁ、普通の企業ではなく【ハウスキーパー】というお仕事なんだけど。



まぁ、簡単にいえば簡易的なメイドさんみたいなもの。



秋葉原でみるような制服を着ているわけでもないし、お給料もいいし信頼もできる仕事だ。



ある、一つのことを除けば…



「おい、これ片づけてあれもってこい!」



『・・・あれってなんですか?』



「ん?それも分からないのか?ほんと、使えないな・・・」



普通、あれって言われても分からないと思うんですけど・・・



そう、人使いが荒くついでに口がすこぶる悪いこの人が雇い主ということ。



言いたい文句が山ほどあるが、今クビとかになったら怖いので逆らえないのが現実である。



『はぁ・・・』



「んっ?なんか、文句でもあんのか?」



ニヤッと、黒い笑みを浮かべながら雇い主は言う。



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