日曜日
おれはスーパーのビニール袋を片手に持ち
信号が赤なので
立ち止まっていた
すると
いつの間にかおれの真横に身を付けていた
スーツをきっちり着こなした若いサラリーマン風の男が
そっと
「わたしは神の使いですよ」

耳打ちしてきた
なに?
なんだって?
そいつは胸の辺りから何かを取り出そうとしているようだった
おれはずっと前を見ていた
まだ信号は赤だった
そいつが取り出したのは名刺だった
゙職業・神の使い″と書かれていた
なるほど
「これで信じていただけましたでしょうか?」
「ああ」
男は
この世界はすべて幻だと
おれに教えてくれた
まあ
こうゆうことはよくあることなんだ
よくはないか
でも
春だし


その神の使いと名乗る若いサラリーマン風の男は
まだ
信号が青に変わっていないのに
横断歩道をすたすたと歩いていってしまった
(おいおい……)
もちろん
車がびゅんびゅん人をはねたくて仕方ないといったように走っている
男は
車に
はねられた
はねられなかった
はねられなかった?
っていうか
車はブレーキも踏まずにそいつをすり抜けていった
(どうゆう現象なんだ?!)
おれは目を開けた、おもいっきり、その日、初めて
(一体、何が起きたんだ!!)
男は消えていた
おれは
そのなんだっけ……神の使い? が消えたあと
考えようとした
何を?
さっき言われたことを
世界が
どうとか言ってたような気がするな
幻?
どこから?
目の前の信号が突如、青に変わった
ちょっとまて!
まだ準備が出来ていないんだ
おれは
足を踏み出した
とりあえず
さっきイトーヨーカドーで購入してきた
アイスクリームが溶けちゃうから家の冷蔵庫に入れてから考えよう