高速道路を車で走ってるはずだった
気付いたら北極にいた






恋人に電話をかけた
「ペンギン連れて帰ってきて」

それだけだった
ぼくが冗談を言っていると思っているのだ
そしてそれをくだらないと思っているのだ

必死になって説明すればするほど
電話口の彼女の態度がそっけなくなっていくのがわかった


もう

どうでもよくなってきた


つき合って一週間のあの頃だったら信じてくれたろうか?
そんなことを思いつつ
震えながら
ぼくは



ペタペタ逃げ回るペンギンを追いかけた