短編集【BL】

夢の中にいた。俺は唇に柔らかな口づけをもらい、もっととねだる。

しかし揺さぶられて、心地いい眠りから覚めなければならなくなった。

「ん……」

「蛍」

キレイに整った顔が目の前にあり、俺は跳ね起きた。その拍子に、椅子から落ちそうになる。

「うわっ」

「蛍っ」

落ちる寸前、助けてもらったのはいいものの、抱き締められるような体勢になる。