短編集【BL】

「まーた果夏(かな)から漫画押し付けられた?」

再び漫画に視線を落とした時、亮に話しかけられる。

ちょうど「いい場面」だったので、顔を上げずに返事を返す。

「まあな。亮も読む?」

「なんで俺が」

「だよな」

笑いながら顔を上げると、亮の向こう側にいたあいつと目が合う。
咄嗟に視線を逸らす。

しまった。ちょっと不自然だったかもしれない。