入学式は無事に終わり、下校する時間になった。
あたしは急いで鞄に教科書を入れて帰る準備をした。
ギャルの子たちから逃げるように
早歩きで教室を出た。
廊下を早歩きで...いや、もはや小走りで校舎から出ようとしたとき、腕を引っ張られた。
ヤバい。
ギャルの子たちだよ、きっと。
「さっきは大丈夫だったか?
アイツらの事は気にするな。」
背後から聞こえた声はギャルの子たちじゃなく晃羅という人の声だった。
安心した。
あたしはゆっくりと晃羅という人の方に振り返って言う。
「あの...さっきの件はあたしが悪いんです...。あの子たちは悪くないんです。あたしが勝手に泣いただけです。」
それだけを言って掴まれた手をゆっくりとおろして、またあたしは小走りで校舎から出た。
