人間クローバー

「…いいよ。少しだけなら。」

麻里花は少し不満気に答えた。

竜也はゆっくり立ち上がり落ちない様にフェンスをツタって上まで登ると麻里花の方に手を差し向けた。

「この位…平気。」

必要無いといわんばかりに麻里花は一人でフェンスをよじ登った。

竜也は、先に反対側に着くと心配してか麻里花を黙って見つめていた。


「…こ、こっちみないで…」


竜也は言われるがまま背中を向けた。

フェンスをよじ登る様は何と言うか端から見れば不恰好だが竜也は麻里花のよじ登る姿にすらかわいらしく映っていた。