「彩?」
振り向くと
心配そうな顔の友貴がいた。
友貴に知られたくない。
でもいつかは
話さなきゃいけない。
「あ…起きてたの?
今コーヒーいれるねっ」
「あ、俺がいれるよ」
友貴は私の手から
コーヒー豆の缶をとった。
「なんか顔色悪いな」
「そ…そんなことないよ」
「具合悪い?」
「ホント大丈夫だってば」
友貴が手際よく
コーヒーをいれる。
一人暮らしだから
私なんかよりも実は家事の得意な友貴。
料理だけはイマイチなんだけど。
「はいよ」
「ありがとう」
部屋中にコーヒーの香りが
たちこめる。
また私は気分が悪くなり
洗面所へかけだした。
「大丈夫か?」
「ん…ごめん。大丈夫」
私の背中をさすりながら
友貴がハッとしたように
残酷な言葉を口にした。
「休みとるから
一緒に病院行こう」
「え?」
「いや…もしかしたら…
アレなんじゃねぇの?」
「アレ?」
「オメデタ!」
顔をくしゃくしゃにさせて
本当に嬉しそうに笑った。
「でも…違うかもしれないし」
「とりあえず診てもらえばいいじゃん」
「でも…」
「産婦人科って嫌かもしんないけどさ、
もしそうなら気をつけなきゃなんないこともあるかもしんないし」
ニコニコしながら
興奮気味に話す友貴を見ると
私は何も言えなくなってしまう。
――友貴の子じゃないかもしれないよ?
そんなこと言ったら
友貴はどれほど傷つくだろう。
悪いのは私。
だけど
今は友貴を傷つけたくない。
優しい友貴を
その笑顔を
壊したくないよ。
言われるがまま身支度をし
私は友貴に手をひかれ
病院に向かった。
振り向くと
心配そうな顔の友貴がいた。
友貴に知られたくない。
でもいつかは
話さなきゃいけない。
「あ…起きてたの?
今コーヒーいれるねっ」
「あ、俺がいれるよ」
友貴は私の手から
コーヒー豆の缶をとった。
「なんか顔色悪いな」
「そ…そんなことないよ」
「具合悪い?」
「ホント大丈夫だってば」
友貴が手際よく
コーヒーをいれる。
一人暮らしだから
私なんかよりも実は家事の得意な友貴。
料理だけはイマイチなんだけど。
「はいよ」
「ありがとう」
部屋中にコーヒーの香りが
たちこめる。
また私は気分が悪くなり
洗面所へかけだした。
「大丈夫か?」
「ん…ごめん。大丈夫」
私の背中をさすりながら
友貴がハッとしたように
残酷な言葉を口にした。
「休みとるから
一緒に病院行こう」
「え?」
「いや…もしかしたら…
アレなんじゃねぇの?」
「アレ?」
「オメデタ!」
顔をくしゃくしゃにさせて
本当に嬉しそうに笑った。
「でも…違うかもしれないし」
「とりあえず診てもらえばいいじゃん」
「でも…」
「産婦人科って嫌かもしんないけどさ、
もしそうなら気をつけなきゃなんないこともあるかもしんないし」
ニコニコしながら
興奮気味に話す友貴を見ると
私は何も言えなくなってしまう。
――友貴の子じゃないかもしれないよ?
そんなこと言ったら
友貴はどれほど傷つくだろう。
悪いのは私。
だけど
今は友貴を傷つけたくない。
優しい友貴を
その笑顔を
壊したくないよ。
言われるがまま身支度をし
私は友貴に手をひかれ
病院に向かった。


