等心大〜tou・sin・dai〜

Pipipipipi…


携帯のアラームを止めると
私は顔を洗って
コーヒーを入れた。



部屋中に
コーヒーの香りが立ち込める。

その香りで
寝起きのダルさが
少しだけやわらぐ。




今日は遅番だ。

一度家に帰ってから
シャワーを浴びよう。




友貴の寝顔をのぞきこむと
私は軽くほっぺにキスをした。



「コーヒー入ったよ。起きて」

「…んー…」


友貴は小さく伸びをすると
のそのそと
ベッドから起き上がった。



「はい」

カップを渡すと
友貴は一口すすり
やっと言葉を発した。



「あぁ眠かったぁ」



――ホント、子供みたい。


寝グセのついた髪が
眠そうな顔が
なんだか愛しい。



「コーヒー飲んだら目ぇ覚めた」

「おいしいでしょ」

「うん、ウマイ」




コーヒーには自信がある。

家事って苦手と思ってるけど
もしかしてやってみれば
結構デキルかもしれない。




「毎朝、飲めたらいいのにな」





友貴が
急にそんなことを言ったので
私は
心臓が飛び出るかと思うくらい
ドキッとした。



それって…