等心大〜tou・sin・dai〜

近所の
イタリアンレストランに入って

私はスパゲティを
友貴はピザを食べた。




食事中も
帰り道も
なんとなく話がはずまなかった。



「寄ってく、でしょ?」

友貴が振り向いてそう言った。
私はその言葉が胸にひっかかって
またムッとしてしまった。


「行ったらメーワクなの?」

「そんなこと言ってないよ」


友貴がまた
小さくため息をつく。



やめよう。
責めるのは。


「今日は帰る。じゃあね」


私はそう言って
自宅の方向の道に
曲がっていった。





二年も付き合ってれば
うまくいかないときも
あるよね、きっと。


モヤモヤした気持ちを
ふりきるように
私はそう自分に言い聞かせた。