「西村さんは何か
楽器をやってるんですか?」
「ピアノをずっと…
一応、音大出てるんです」
「音大!すごいなぁ」
「私なんて全然ですよ」
大川さんの食べ方は
きれい。
品がある。
食事って
育ちとか人間性が出ると思う。
時には
裸を見られるより
恥ずかしいかもしれない。
「僕は今まで
聴くだけだったんですけどね、
半年くらい前からピアノを
始めたんですよ」
「大人になってから始めるって
すごいですね」
「いや、そんなことないですよ。
始めることより続ける方が
むずかしいです」
そのあと
音楽のこととか
延々と話しながら
次々と食べ
ついにシメのアイスクリーム。
なんだか
なごりおしい。
「またお誘いしてもいいですか?」
――その言葉、待ってました。
「はいっ。ぜひ」
「それはよかった」
会計はツケだった。
しょっちゅう利用するのだろう。
店を出ると
すぐタクシーがつかまった。
「家まで送りますよ」
「あ、ひとりで大丈夫ですよ」
「何かあったら僕が困りますから
送らせてください」
耳まで赤くなったのが
自分でもわかった。
「じゃぁお言葉に甘えて…」
大川さんは
ニッコリ笑って
一緒にタクシーに乗り込んだ。
運転手に
自宅の住所を伝えると
しばらく
無言になった。
――ケータイの番号
聞いてくれないかな。
それとも私から聞く?
こんな出会い、
二度とないかもしれないもん。
どう切り出そうか
考えていると
大川さんから口を開いた。
「また誘いたいときは
職場に電話すればいいのかな」
――きた。
でも本当この人ってば
礼儀ただしい。
「あ、じゃあ私のケータイに
直接連絡ください」
「え、いいの?」
「はい。その方が…」
よかった。
自然に番号交換できた。
楽器をやってるんですか?」
「ピアノをずっと…
一応、音大出てるんです」
「音大!すごいなぁ」
「私なんて全然ですよ」
大川さんの食べ方は
きれい。
品がある。
食事って
育ちとか人間性が出ると思う。
時には
裸を見られるより
恥ずかしいかもしれない。
「僕は今まで
聴くだけだったんですけどね、
半年くらい前からピアノを
始めたんですよ」
「大人になってから始めるって
すごいですね」
「いや、そんなことないですよ。
始めることより続ける方が
むずかしいです」
そのあと
音楽のこととか
延々と話しながら
次々と食べ
ついにシメのアイスクリーム。
なんだか
なごりおしい。
「またお誘いしてもいいですか?」
――その言葉、待ってました。
「はいっ。ぜひ」
「それはよかった」
会計はツケだった。
しょっちゅう利用するのだろう。
店を出ると
すぐタクシーがつかまった。
「家まで送りますよ」
「あ、ひとりで大丈夫ですよ」
「何かあったら僕が困りますから
送らせてください」
耳まで赤くなったのが
自分でもわかった。
「じゃぁお言葉に甘えて…」
大川さんは
ニッコリ笑って
一緒にタクシーに乗り込んだ。
運転手に
自宅の住所を伝えると
しばらく
無言になった。
――ケータイの番号
聞いてくれないかな。
それとも私から聞く?
こんな出会い、
二度とないかもしれないもん。
どう切り出そうか
考えていると
大川さんから口を開いた。
「また誘いたいときは
職場に電話すればいいのかな」
――きた。
でも本当この人ってば
礼儀ただしい。
「あ、じゃあ私のケータイに
直接連絡ください」
「え、いいの?」
「はい。その方が…」
よかった。
自然に番号交換できた。


