等心大〜tou・sin・dai〜

私の母は
ずっと専業主婦だったから
私もいつかは
専業主婦になるんだろうと
思っていた。


と、いうよりも
“働く主婦”が
想像できない。



だけど経済的に
友貴が相手で
専業主婦になれるのだろうか。

友貴は
エリートってわけじゃないし
有能なのかと問われれば
よくわからない。
無能ではないけれど。




エステも行けなくて
服や靴もろくに買えなくて
安物の化粧品を使って
美容院は半年に1度。
外食もファミレス。
そんな生活、我慢できる?




嫌だ。
ビンボーくさい主婦になんて
絶対なりたくない。


私にはまだ
結婚するのは早いのかも。

いや、
もっとエリートを
見つければいいのかな。






――なんて打算的。

自分の考えに
笑ってしまう。



愛だの恋だの
いきおいだけで
結婚できる年頃は
もう過ぎてしまったのだ。

条件とか損得で
物事を見てしまう。


でも
条件がよくても
愛情もなければ
結婚なんてムリだけど。