五ヶ月を過ぎると
妊婦健診は四週間おきになる。
お腹の子は
もうすぐ七ヶ月に入る。
今日は久々の健診だった。
「じゃあ西村さん、
赤ちゃん見てみましょうか」
エコーで赤ちゃんの姿を見る。
赤ちゃんはすっかり大きくなり
元気よく動きまわっていた。
「性別、聞きたい?」
先生が
エコーの画面を見ながら聞く。
性別は前から気になっていた。
名前を考えるにしても
ベビー用品を揃えるにしても
性別がわかっていた方が便利だし。
「はい!聞きたいです!」
私が大きな声で返事をすると
先生はニッコリ笑った。
「女の子ですよ」
「女の子…」
聞いた途端、
ハッキリと赤ちゃんのイメージが湧いた。
ヨチヨチ歩き回る娘。
私の、娘。
「あら?男の子希望だった?」
「いえっ、嬉しいです!すごく」
「そう、それならよかった」
父親のいない子だから
男の子だったら
正直、少し不安だった。
女の子でよかったのかもしれない。
ピンクのベビー服を買おう。
ベビー布団もピンクにして
ベッドは白いものにしたら
可愛いかもしれない。
そこで眠る小さな娘。
想像するだけで
それはとても幸せなことだった。
父はもしかしたら
女の子で少しガッカリするかもしれない。
それでも
私の小さな娘を見たら
きっと慈しんでくれる。
“いつくしむ”って
なんて美しい言葉なんだろう。
いとおしい、とか
大切、とか
かけがえのない存在であること
“いつくしむ”って言葉に
全て込められている。
私はこの子から
恋人や親に対するよりも
もっと深い愛情を
教えてもらった。
妊婦健診は四週間おきになる。
お腹の子は
もうすぐ七ヶ月に入る。
今日は久々の健診だった。
「じゃあ西村さん、
赤ちゃん見てみましょうか」
エコーで赤ちゃんの姿を見る。
赤ちゃんはすっかり大きくなり
元気よく動きまわっていた。
「性別、聞きたい?」
先生が
エコーの画面を見ながら聞く。
性別は前から気になっていた。
名前を考えるにしても
ベビー用品を揃えるにしても
性別がわかっていた方が便利だし。
「はい!聞きたいです!」
私が大きな声で返事をすると
先生はニッコリ笑った。
「女の子ですよ」
「女の子…」
聞いた途端、
ハッキリと赤ちゃんのイメージが湧いた。
ヨチヨチ歩き回る娘。
私の、娘。
「あら?男の子希望だった?」
「いえっ、嬉しいです!すごく」
「そう、それならよかった」
父親のいない子だから
男の子だったら
正直、少し不安だった。
女の子でよかったのかもしれない。
ピンクのベビー服を買おう。
ベビー布団もピンクにして
ベッドは白いものにしたら
可愛いかもしれない。
そこで眠る小さな娘。
想像するだけで
それはとても幸せなことだった。
父はもしかしたら
女の子で少しガッカリするかもしれない。
それでも
私の小さな娘を見たら
きっと慈しんでくれる。
“いつくしむ”って
なんて美しい言葉なんだろう。
いとおしい、とか
大切、とか
かけがえのない存在であること
“いつくしむ”って言葉に
全て込められている。
私はこの子から
恋人や親に対するよりも
もっと深い愛情を
教えてもらった。


