どうやって家に帰ったのかも覚えていない。
ふらふらと歩いていた。
友貴をひどく、傷つけた。
大川さんが現れなければ――
私はまた
人のせいにしてる。
本当に私の悪いクセ。
玄関を開けると
母がいつもの笑顔で
迎えいれてくれた。
「おかえり」
お母さん。
お母さん。
お母さん。
私どうして
こんな人間になっちゃったんだろう。
母の顔を見て
張りつめていたものが、切れた。
「お母さん」
抱きついて
ワーワー泣いた。
まるで幼い頃のように。
「あらあらどうしたの?」
母はしっかりと
私を抱きとめてくれた。
「私…結婚しないかもしれない」
「…」
「友貴を傷つけた」
「そう…そうなの…」
母は何も尋ねなかった。
ただ黙って
私が泣きやむまで
抱きしめてくれた。
泣いて泣いて
ようやく泣きやむと
ゆっくりと優しく言った。
「私は何があっても
彩の味方だってこと、
忘れないで」
ありがとう。
お母さん。ありがとう。
母がいてくれる、喜び。
世界にひとりだけの
私のお母さん。
味方がいてくれる。
それだけで
人は強くなれる。
ねぇ私も
お母さんみたいな母親になるよ。
たくさん泣いて
おちるとこまでおちたら
あとは浮上するだけだ。
友貴の傷を
私は治してあげることは
きっともうできないけれど
私はこの子と、強く生きていく。
「さぁご飯にしましょう」
小さな頃から食べ慣れた母のシチューは
今日はいつもと違う味だった。
ふらふらと歩いていた。
友貴をひどく、傷つけた。
大川さんが現れなければ――
私はまた
人のせいにしてる。
本当に私の悪いクセ。
玄関を開けると
母がいつもの笑顔で
迎えいれてくれた。
「おかえり」
お母さん。
お母さん。
お母さん。
私どうして
こんな人間になっちゃったんだろう。
母の顔を見て
張りつめていたものが、切れた。
「お母さん」
抱きついて
ワーワー泣いた。
まるで幼い頃のように。
「あらあらどうしたの?」
母はしっかりと
私を抱きとめてくれた。
「私…結婚しないかもしれない」
「…」
「友貴を傷つけた」
「そう…そうなの…」
母は何も尋ねなかった。
ただ黙って
私が泣きやむまで
抱きしめてくれた。
泣いて泣いて
ようやく泣きやむと
ゆっくりと優しく言った。
「私は何があっても
彩の味方だってこと、
忘れないで」
ありがとう。
お母さん。ありがとう。
母がいてくれる、喜び。
世界にひとりだけの
私のお母さん。
味方がいてくれる。
それだけで
人は強くなれる。
ねぇ私も
お母さんみたいな母親になるよ。
たくさん泣いて
おちるとこまでおちたら
あとは浮上するだけだ。
友貴の傷を
私は治してあげることは
きっともうできないけれど
私はこの子と、強く生きていく。
「さぁご飯にしましょう」
小さな頃から食べ慣れた母のシチューは
今日はいつもと違う味だった。


