「…まぁ、いいじゃない」

「よくない」

「……とりあえず話戻すわよ。着地した後、突然雪が降ってきたの」

「ふーん」

「それがいきなり雪崩に変わったわ」

「…ププッ、雪だるまになってしまえっ!」


そう声を高らかに上げる亜子に首を横に振る苑加。


「ならないわ。その雪崩から無事に先生は抜け出す」

「チッ、クソッ!」

「でもね、空からはいんせきが落ちてくるの」

「……おぉ」

「先生は避けるため動こうとしたのだけれど、足が雪に埋まっていて移動できなかったの」

「それでいんせきがドーンと笹倉先生に…」

「それも違うわ」


またしても首を左右に振る彼女に亜子はムッとする。


「先生は目をカッと見開いて、ハッ!って気力でいんせきを吹き飛ばした」

「何者だよ」

「黄色のオーラを身にまとい、髪が逆立っていたの」

「……、どこかのアニメで見たことあるぞ、それ」

「そして、またハッ!って木の下で機会を窺っていた鬼ババァに波動をうちつけた」

「鬼ババァまだいたのかよっ! それより波動ってもしや、カメハ…」

「すると鬼ババァが元の綺麗な女の人に戻ったわ」

「違ったーっ!」


オーマイガーと頭を両手で押さえ叫ぶ亜子を叩いて落ち着かせた苑加は、ゴホンと咳払いをする。