卒業式を数日後にひかえたある日。 「ミサト、これ」 彼は、小さな袋をくれた。 「開けていいの??」 私が聞くと、うなずいた。 「クマだ! かわいいねっ!」 そう、中に入っていたのは茶色いクマさんの キーホルダーだった。 「どうしたの??」 「こないだ九重に行ったから…… その、おみやげ。 クマ、好きなんやろ?」 彼は、照れたように言った。 「うん、大好きだよ! ありがとう……大切にするね!!」