王子と歌姫


体操服に着替えてグラウンドに立つ。
今日は持久走、女子は1000m
男子は1500mらしい

来翔とやらと競っている俺だが
500mもハンデを貰いたくはないな

そんなことを考えながらぶつぶつ言ってると
来翔が近づいてきた

「やあ、女子のほうが距離短いみたいだね。まぁ、女の子だしね、ハンデあげるってことで」

「黙れ。ハンデなどいらん」

「じゃあ俺と同じ距離走ってみる?」

にやにやと笑う。
正直気持ち悪い

「いいぞ?俺は構わん」

と、答えると先生が後ろにいた

「お前は男子とな。
女子と同じじゃ話にならんだろう」

「わかってますよそんなこと。」

おそらく来翔に向かってドヤ顔をしたのだろう
あいつの笑顔はひきつっていた