変なことに巻き込まれないように
すぐに帰ろうと教室から出た
早足で校門まで向かう。
「桜音羽さん」
誰かに呼び止められた。
「チッ…」
嫌そうな顔をしているだろう、
私が振り返ると目の前には
私の大っ嫌いなあの男が立っていた
「なんですか」
そう尋ねるが相手は答えようとしない
私の手を引き
校舎の方へと走って行った
走っている間すごい女共の声が聞こえた
なんで私みたいな女と話そうとするのかね
もうちょっと美人な人探しなさいよ…
などと考えていると
いつの間にか足が止まっていた
「考え事は済んだかな?」
にっこりと笑い、私の方を見る
「まぁ、はい。
なんでこんなところに連れてきたんですか」
「いやぁ、君面白いからさ。
ちょっと話したかったのよね
女の子たちがいないところで。」
すらっと長い脚、モデルように高い身長。
ぱっちりした目に二重まぶた
ちょっとかっこよく着崩した制服。
そんな王子様に見下ろされながら話を聞く
「正直ミーハーの女の子達嫌いなんだよー
君みたいな子がもっと居てくれたらいいのにな…」
相変わらず笑顔を絶やさない
私は睨みながら言った
「あの女共が嫌いならはっきり言えばいいだろう?」
「そんなことしたら評判落ちちゃうじゃないかw中学で孤立なんかやだよ」
「あっそ。そんな学校のナルシ王子様が私に何の用?」
軽く流して用を聞く。
早く帰りたいんだよ
さっきまで女に囲まれて
にこにこと愛想笑い振り回してたやつが
なんで私に追いつけるのだ。
私が教室を出たときはまだ囲まれていたじゃないか。あのまま一生囲まれてろナルシ王子が
「あのね、俺と付き合わない?。」
「あ?いっぺん死ねください」
わけがわからない
わけがわからない
なぜ私が告白されているのだ。
さっき教室で嫌いだと言ったはずだ。
物覚えが悪いのか。ドMか。
いや、ドMはないだろう…
いかにもドSですみたいな顔だ
「だよね。
でも惜しいなー。
あ、そうだ
明日さ、体力測定あるでしょ?
それ俺に勝てなかったら付き合って
勝てたらなんでも言うこときくよー?」
にやにやと自信満々に言って来る
こう言うところが嫌いなんだよ
「いいよ。受けて立つ。
一つでも負けたら付き合ってやるよ
お前を好きになることなどないけどな。」
「好きにならせてあげる」
こうして学校のナルシ王子様と歌姫(まだその話は出てきてないが)のドタバタ恋愛ギャグストーリーが始まるのだ
