王子と歌姫



学校の門の近くまでついた。
女に囲まれながら歩いていた

でも、まるで俺を見ようとしない女が一人、
学校へ入っていった。


にこにこと女に笑いかけて適当に話など流す。



あの女の子、身長は小さいから1年生かな
ぱっちり二重でたれ目な大きな瞳、
まるで太陽に当たったことがないような白い肌に黒く綺麗な長い髪。

見た目はかわいいな

近寄ってみるか…


ちょっと早足で教室に向かった

校舎内に入ると人が減った。
さっきの女達のなかには先輩もいたんだろうな

やっとドアの前までこれたか

前の女に退いてくれるかなと言う
もちろん笑顔は欠かさない


すると後ろ歩きで下がっていった。




「ってぇな…」

女の後ろから低いけど可愛らしい声が聞こえた


前髪で顔は見えてないが確かだ。
髪を見ればわかる

俺に見向きもしなかったあの女の子…