「いいか?水野はこの1週間、すごい頑張ったんだ。
だから、落ち着いて受けろ。
───できる、から。」
そう言ってフワッと笑い、私の頭をポンポンと軽く叩いた。
─────きゅんっ。
い、今のは反則………//
心臓の音が勇也に聞こえてるんじゃないか、ってくらい激しく動き出す私の心臓。
それと同時に、何かよくわからない安心感が私を包む。
”大丈夫"。
どうしてかわからないけど、私はそう思った。
好きな人に…、勇也に言われただけで
さっきまでの気持ちが嘘みたい。
……やっぱり勇也はすごい。
「……うん」
そう言って私も勇也に笑い返す。
「っ!!」
その瞬間、赤くなる勇也の顔。と────
「テスト始まるから席つけー」
………入ってきた、担当の先生。
今ですか、とか何とか思いながらも私は席に向かう。
「頑張れよ」
「勇也も……ね?」
して私たち2人は席についた。
席に着くと、前から配られてくるテスト用紙。
…大丈夫、勇也だって言ってくれたんだし。
それに………、頭ポンポンされたし!!!
『できる、から』
私は、勇也のその言葉をおまじないみたいに、心で何回も唱えた。
そして───
キーンコーンカーンコーン……
テスト開始を告げるチャイムが鳴った。
