なんのこと?
────なんて聞く時間、私にはなかった。
後頭部をしっかり掴まれて、
勢いよく引き寄せられる、私の頭。
「あ………ぶはっ!!!!」
そのままぎゅーっと強く抱きしめられる。
「おい!何やってんだよ!!」
ガタ、と椅子から立ち上がる勇也。
ご、ご最もです………。
どうして私がこんな強く抱きしめられているのか…!
「~……っ!!」
っていうか、苦しい!!!
有紗の胸がすっごい当たってるんてす!
私の顔に!!
はぁ……、有紗は胸が大きくていいなぁ。
それに比べて、私なんか…
───って、そうじゃなくって!
危ない危ない。
もうすぐで危うく変態に思われちゃう所だった。
「~っ、ぷはっ…はぁ、……はぁ」
やっとの思いで何とか抜け出せた私。
「何って………、あんたに教えてあげてるのよ。男だったらどうするか。」
「教えていらねーよ!」
ムキになっている勇也とは反対に、
挑発するような有紗の口調。
「…で。」
そう言って、有紗は私にニコッと笑いかけ─────
ちゅっ───。
「………………え」
