…水野が好きだと気付いたものの、
問題(?)が1つ発生。




水野が髪を巻いてきた日。


恥ずかしながらも「可愛い」って、言った。










その後、顔が真っ赤になって固まっている水野を置いて、
伊集院に廊下に連れ出された。






伊集院は腕を組み、壁にもたれるとこう言った。




「広瀬も、大変ね。」

「………何が?」



大変って、何の事だ?

俺、何かしたっけな。





「由莉に決まってるでしょ?」

「っ…」




やばい。

こいつ、完全に気付いてる。






「広瀬もわかりやすいのね♪
顔に書いてる。────由莉が、好きだって。」




俺を射抜くような目で見る伊集院。




あぁ、ダメだ。

もう、伊集院には負ける。




「だったら何だよ……」



俺は頭をくしゃくしゃっと掻く。




俺が認めたのを見てくすっと笑う。




「由莉は、モッテモテだからね〜…」

「知ってる。」

「あんな可愛いんだしね」

「…まぁな。」




可愛いのに、自覚がないんだ。水野は。



「そういえば、今日も靴箱に手紙入ってた。」

「は?」



それって、ラブレターですか。




「なのに由莉ったら、『この人、入れる所間違えるなんて…、かわいそう。』とか言って、
本人にラブレター返しに行っちゃったの。」


「…………。」




うん。

それはかわいそうだわ。違う意味で。

ラブレター返しに行くとか………、そいつに同情する。




「まぁ、鈍感な子だから。積極的に行かないと、誰かに取られるからね?
…由莉を狙ってるやつなんて、女子でもいるんだし。」




まじか。


「はぁ……。それは大変だな。」

「でも?最近 由莉はある事に気付いちゃったのよね~♪」




そう、俺を見ながら言う伊集院。



──どういう意味だ?














……とりあえず、頑張るか。