正直、水野と同じクラスになれて嬉しかった。
「やっとmomoの正体がわかるかもしれない」
そんな期待ばかりが俺の頭をよぎっていた。
──水野と同じクラスになってから、
本当にいろんな事がわかってきた。
水野は基本、誰にも優しくて、明るい性格だ。
笑ったときの笑顔は……、可愛い。
そんなこともあってか、水野はモテる。
自分では自覚がないと思うけど、
休み時間や放課後、呼び出されているのをよく見る。
現に、このクラスにだって、水野を狙っている男なんていっぱいだ。
しかし、当の本人はそんな事も知らずに優しく接している。
そんな様子を見ていて、若干イラつく俺。
………何でそんなに優しくするんだよ。
男もそんな嬉しそうにしてんじゃねぇ。
つーか、何で俺もこんなイライラしてんだよ。
彼氏でも何でもないくせに。
水野を見ているうちに、俺の心の中にはモヤモヤと渦巻く何かができていた。
……いや、本当はこの感情の正体に気付いていたのかもしれない。
気付かないように、してたんだ。
───そんな時に。
3年になって2回目の席替えで、
俺と水野は、隣になったんだ。
