化粧とかは、雑誌のmomoとは若干違う気がするけど、
間違いない。
つーか、制服。
この学校の制服だし。
すると、momoはいきなりピタッと動きを止めて、ゆっくり俺の方を向く。
「何?」
俺がそう言うとどんどん青ざめていくmomoの顔。
──おい、まじでどうした。
何で俺の顔見てそんな青くなるんだ?
しばらくの沈黙の後、momoが口を開く。
「あ、ははっ。な、何でもないです!!失礼しましたー!!!!」
明らかに何でもないことはないだろう、言い方。
momoはそう言うと、ゴムとピンを持って猛ダッシュでトイレから出ていく。
俺はその様子をただひたすら見ていた。
「え……。」
……でも、その瞬間、さっきまで俺の頭でモヤモヤと渦巻いていた謎が、
一気に解けた気がした。
バラバラに散らばったピースが、一つずつ、はまっていく。
「嘘、だろ………」
────彼女が、俺の横を通り過ぎた時に見えた名札。
そこには、はっきりと《水野》と書かれていたんだ。
momo=水野 由莉…………?
