*勇也side*


──実は、なんとなく気付いてた。


あの日………、水野にぶつかられる前から。















momo。

それは、男の俺でも知ってるくらい、今 人気のモデル。


雑誌の広告にも載ってるし、街を歩けば、momoの話をよく聞く。




それからだ。


水野がmomoに似てる と、学校で話題になりだしたのは。




健康的な肌の色。

大きくてきれいな二重の瞳。

小さい顔。

いつもあげてる、前髪。





最初は 確かにちょっと似てるな……、とか
そんな程度だった。













──だけど、俺は見てしまったんだ。






もうすぐ、春休みという3学期の終わり頃。





授業中、インクが漏れて、手を洗おうとトイレに行った。


まじで最悪………。



若干イライラしながら向かった、トイレから聞こえてきた声。



「ん゛~……、取れない……」





──え、女……?




男子トイレから聞こえてきたのは、なんと女子の声。


俺はトイレに入る前に、もう1度よく確認する。



……うん。男子トイレだ。









「………あっ!!取れたぁー!!!」




そんな声と同時に、良かった良かったとか言ってる、中のやつ。



……いや、良くないから、全然。







つーか、まじで誰だよ。


俺は、思いっきってトイレに入った。







まず目に入ったのは、鏡の前に立っている女子。