♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥





「───嘘……。」



《可愛い》。


そう、勇也ははっきりと言った。



頭が真っ白になって、何も考えられない。

信じられない。

勇也が………、私に?




かぁぁあと顔が赤くなる。



頭がゆらゆらする。

このまま、気を失っちゃいそう。




好きな人に、可愛いって言われるのって…、
こんなに嬉しいものなんだ。















「ってか、伊集院ちょっといい?」


勇也は少し頬を赤く染めて、若干イライラした様子で言う。




「えー、もう何よー?」

「いいから。」

「はぁ……、わかったから。」




ったく、女々しいやつめ。と呟きながら有紗は言う。



「とりあえず、廊下出て。」

「はいはい!」





そして、有紗と勇也は、ボーッとしている私を、置いて廊下に向かう。





有紗は私の横を通り過ぎる時、くすっと笑ってこう言った。






「由莉、良かったわね♪


───『可愛い』わよ?」





わざと、可愛いという言葉を強調する有紗。


そして、横目で私にウインクして、教室を後にした。









何だろう………、この、台風が通り過ぎ去った感。





ポツン、と1人取り残された私。

机の前で、たださっき起こった事を考えながら
立ちすくむ。