「はい、どーぞっ!」
有紗は頬杖をつきながら、嬉しそうに こっちを見て言う。
有紗、絶対わかってるでしょ…。
わざわざ言わせるなんて、鬼だ。
とか何とか思いつつ、姿勢を正す私。
「えー、っと………………
私………、勇也の事が好きみたいです……//」
うつむきながら、そう言った。
わーっっ!!!
恥ずかしい!言っちゃったよっ!
何か、いざ口に出すとすっごい恥ずかしい。
でも、心はとっても温かくて。
恋ってこういうものなんだ、と実感した。
「よく言った!由莉!!」
有紗は若干 目をうるうるさせながら、すごい!!と、拍手した。
「〜っ、有紗、恥ずかしいんだから、やめてよ……」
私は少し睨みながら言う。
…なのに、有紗は笑い飛ばしながらこう言った。
「あははっ!今の由莉に睨まれても、全然怖くないよっ?」
「なっ…!」
何だとー?!
「顔真っ赤だし♪
──あっ。ふふ………ほら、王子様のご登場よ?」
有紗はそうニコニコしながら、教室のドアの方を指さす。
何言ってるんだろう…と、私は有紗が指さした方に視線をやった。
