「可愛くないよ…。 学校に来る途中、どれだけの人にジロジロ見られたか。」
あれはひどかった。
やたら見てきて、友達にこそこそ耳打ちするんだもん。
「由莉が可愛いからみんな見るんでしょーが!」
「もう……これだから由莉は。」
「自覚が足りないと言うか、何と言うか。」
「天然と言っていいものか。」
みんな、ねぇ〜。と言いながら何やらごたごた言っている。
…私の悪口なのか。
「あのね、由莉?」
「何でしょう、伊集院さん。」
有紗は私を見て苦笑いすると、ちょっと来なさいと言って、手をひく。
私は自分の席にすわって、有紗は私の隣の勇也の席にすわった。
まだ勇也は来ていない。
「由莉さ、あんたはmomoなんだから、可愛くないわけないでしょ?」
「……momoはメイクさんが凄いだけだもん。」
普通の私なんて…、momoとは全然違う。
「なーに言ってるの。…まぁ、別に何でもいいけどさ。
何か、私に言うことない??」
ニヤニヤしながら聞いてくる有紗。
いや、絶対 確信してる。
「あ、あります………///」
