* 勇也side *





「遊園地…?」

「そ。行かない?」

「行くっ!!!」


そう、目を輝かせながら答える由莉。


…何これ。子供っぽくて可愛い。



「じゃあ日曜日行こ?」

「うん♪」




──さっき、俺は由莉と遊園地に行く約束をした。






…正直、遊園地なんてベタだと思ったし本当はノリ気じゃなかったけど、誘ってみた。




そしたら、由莉が満面の笑顔で答えるし…。



…そんな顔されたらなぁ。





由莉は相当 楽しみにしてるらしい。




その証拠に、今も「遊園地なんて久しぶりだー♪」とか言いながら鼻歌まで歌ってる彼女。




そんな嬉しそうな顔されたら、俺まで楽しみになってきた。



…こういう時、改めて実感させられる。




俺って、つくづく由莉に弱いんだなぁ…、って。


由莉といると、空気がガラッと変わって
だるいことも頑張るか、って思える。



──由莉は俺にとって、太陽みたいな、そんな存在。




由莉も仕事は順調らしく、
最近はVenus.との打ち合わせで忙しいとか何とか。



そのおかげで、前より由莉と遊べなくなった。



まぁ、そのことを話す由莉が、本当に嬉しそうだから全然いいんだけど。





「楽しみだね!勇也!」

「…」



由莉の天使のような笑顔に一瞬 心臓が殺されかけたけど、



「そうだな。」


と、俺は余裕そうに笑った。





「──…」



赤くなった顔を由莉に見られないようにしながら。







…あぁ、すげえ楽しみ。

絶対 由莉を退屈にさせないから。