なんか………



「───モヤモヤする?」

「……。」




俺の顔を横からのぞき込む伊集院は、
図星か。と、くすっと笑う。






…伊集院って、人の気持ち読む天才だろ。



「…別に。」


そのまま認めるのも嫌だし、ちょっと否定してみた。




「素直じゃないわね」

「うるさい。」



何か、伊集院には見透かされっぱなしかも。




水野が好きだって事も、誰にも言ってなかったのに、伊集院は当ててきたし。




俺って、そんなに顔に出てるか?





……まぁ、これから気をつけよう。うん。








そう思いつつ、また水野に目を向ける。





「う~ん……momoちゃん、ちょっと暗い…かな?」

「す、すいません!」





すると、ちょうど注意されてる水野。

見ると、確かに水野の顔はいつもと違って、暗い。







何かあったのか?



「今日のmomo、調子悪いな」
「ね!さっきまで普通だったのに…」



俺らの周りにいる人も、こそこそと話しているのが聞こえた。




どんどん顔色が悪くなっていく水野。


……大丈夫か?




俺が心配していると、水野の隣の方から、何やら視線を感じた。





「……。」



そして、目が合った人物は、ムカつくイケメン───




三村 魁星。






その端整な顔で表情を変えることなく、俺を見る。




その目は、全てを射抜くようにまっすぐで。




俺も、負けじと見る。




──ここで目を逸らしたら……負けだ。


とか何とか、無意味な意地を張る。



負けるな、俺──。





…すると、三村 魁星は目を少し細めて、軽く口角を上げた。


──そう、大人な笑み。









「ちょっと休憩いいですか?」