そんなこんなで大変な一日を終え、アタシはベッドにダイブした。
スプリングがきしみ、アタシの体が軽く宙に浮く。
一体、なんなのよ…あの裕樹ってヤツ。
飼い主だぁ?
ふざけないでよ…。
キスとか…慣れてるけどさ。初対面の人にやられるのはちょっと…。
アタシはただ、普通に生活したいだけなのに…もう意味わかんない。

「美由ー?入るぞ?」
「どーぞ……。」

お兄ちゃんが部屋に入ってきた。
その表情は何とも言えない顔で、どちらかというと苦笑系列かな?

「…どういうつもりなの?」
「すみません…;;」

お兄ちゃんは困ったように頭を掻く。
アタシはソレを見てため息を吐いた。
あそこでお兄ちゃんが許さないって言ってくれたらアタシは飼い主なんて出来なくて済んだのに…。ふざけないでよ。

「やっぱり、俺と瑞希の新しい家に来た方が…。」
「バッカじゃないの?新婚の邪魔出来たら凄いよ。」

恨めしそうに見つめたアタシをお兄ちゃんは乾いた笑いで目をそらした。
ほんと、いやになっちゃうよ…。