お坊ちゃん?
このヒトが?
ありえない(笑。

「お前知ってるだろ?外国進出果たしたIT会社…。アレ、コイツの親父とお袋さんの。」
「はぁぁぁぁぁ?!」

何それ、超VIPなんじゃん?!
そんなヒトと何時友達になってたの?!

「いくら払えば、こいつ俺にくれる?」
「金はいらねぇよ。俺も時々見に行くし。つーか、お前もついに女がなぁ…♪」
「殺すぞ、テメェ。」

…このヒト達怖すぎだよ!!

「じゃ、アタシは…どこに?」
「今日から俺の家に来い。兄貴も承諾したからな。拒否権はない。」

普通あるでしょ!!拒否権くらい!!
呆然と立ち尽くすアタシを、クソ野郎は面白そうに見つめている。

「このクソ野郎…。」
「クソ野郎じゃなくて、裕樹ねw 美ー由♪」

チュッという音とともに、アタシの目の前が真っ暗になる。
それと同時に唇に柔らかい感触…。

「…っ?!」

ズサァッと後ずさりするアタシを舌なめずりしながら微笑む。

「…今日から俺が飼い主だよ?」


あぁ…。
アタシの平穏な毎日を返して…。

そんなこんなでアタシは霧杉裕樹に買い取られたのでした。
これからどんなことが起きるかも知らずに、アタシは呆然と立ち尽くしていました…。