大学生さん達の異常なテンションに驚きながらも、部屋を見渡した。
居酒屋にしては珍しく、ゆったりとした空間。
まぁ、和室を出ればそこは酔っ払いが沢山居るんだけどね?
ここだけだったら、どっかの料亭だって言われても可笑しくなさそう。

アタシは、大学生さん達のテンションに付いていけず、そして酒の匂いに気持ち悪くなり、和室を後にした。
あんなに皆酔ってるんだもん。
アタシが居なくなって気付く人も居ないだろうし…。

酔っ払いの間をすり抜けて、外に出る。
夜の空気が、アタシの体の火照りを冷やしてくれた。

「気持ち悪…。」

アタシは元々酒に強くない。
匂いだけでも酔ってしまいそう。
そういえば、ここまで来る途中に自動販売機があったことを思い出した。
財布はあるし…少し歩きたいし。
時間を見れば、10時ちょい過ぎ。まだ、大丈夫でしょ。
少し顔を顰めながら歩き出す。
ほんと、嫌になっちゃうよ。

男からのメール。

大学生たちの異常なテンション。

強い酒の香り。

アタシは水を買うと、酒場の外に戻り、階段に座り込んだ。