「あぁ、聖夜か。」

聖夜(せいや)ぁぁぁぁ…?
誰それ…。
アタシは不思議そうに相手を見つめた。
大体、歳は2歳くらい年上かな…?

「聖夜か、じゃないっ!!ちょっと、君ダイジョウブ?!」

ずかずかとアタシ達に近づくと、強い力でアタシを引き上げてくれた。
やっと、あの腕から逃げられた…。

「大丈夫です…。ありがとうございます。」

アタシはニコリと微笑み、軽くお辞儀をした。
裕樹さんが兄貴ってことは、このヒトは弟さんかな?
一応敬語の方がいいよね。

「っ…。お、俺は聖夜。裕樹の弟だよ。よろしくな。」

明るくてフレンドリーだなぁ、なんて思ったり。

「私は、如月美由。こちらこそです。」

アタシは差し出された手に握手するともう一度微笑んだ。
聖夜さんの顔が少し赤い気がするのは気の所為かな…?
もしかして、風邪だったりして?!

なーんて、思ってたら聖夜さんの目がアタシの首筋に…。
パッとアタシは手でキスマークを隠した。
だってさ?!
裕樹さんと同じくらい、カッコイイんだもん…。
何、ココの血筋。カッコイイ人の血筋なのかな?

「兄貴…。美由って兄貴の何?」

いきなり呼び捨てですか!!

「ペットけん婚約者。」
「ふーん……。」