「葉月、陽菜です。」

聞こえるか、聞こえないかの声で言った。


「ヒナ。ヒナかー、良い名前だな。」

うん、うん。

と、先生は1人で頷きニッと笑顔を見せた。



「よろしくな、ヒナ。

…って今更やけど。」



その笑顔に、私の胸が疼いた。

…けどそれは何か分からなかった。



学校に着いて、なぜか進路相談室に居る。

空いている教室がここしか無かったらしい。



「わ…っ」

先生は、頬を赤くし、目をそらした。



「え…?なんですか…?」



「服…透けてる。
俺のジャージ貸すからはよ着替えろ…」

目をそらしたまま、先生は小声でそう言った。