未決定

しばらくの沈黙が続いた。


どうやって言葉を出せばいいのか、

何を言えばいいのかが分からなかった。



「…電話の内容、聞いた?」


先に口を先生だった。

悲しそうに、笑っていた。


今声を出したらまた掠れてしまいそうで、ただ頷いた。



「俺の親な、俺が17の時に離婚したんよ。

…それから苗字変わって、引っ越しもして…。」


「ごめんな、あれから会いに行けなくて。」




「せんせ…。どうしてさっき…嘘ついたの…?」

先生は俯いたまま、黙ってた。


「私ね、少しだけ気づいたんだ。確信は無かったけど。

先生、あのキーホルダーまだ持っててくれたの?

それに、ミカン飴。よく私にくれたよね…」