未決定

「あぁ、元気やで。 ハハッ、おう。

だーかーら。俺、もう椎名やで?

いい加減苗字間違えるなやー。

そ。天海はもう卒業しとるからっ。」


ハハッと笑いながら電話をしている先生。



でも、今間違えなく先生は

“天海”と言った。



「せん…せ…?」

隠れているのはもう限界だった。

掠れている声しか出ない。


でも、確かめたかった。



「…!? ヒナ…?」


「…悪い、美穂。またかけ直す。」


先生はそう言い、電話を切った。