すうー…っと深呼吸をし、先生に聞いた。


「先生は…徹君…?」


言葉がが足りなかった、と思う。

そりゃあ先生も“徹”って名前だからきっと先生も困るだろう。



でも、先生の動きは一瞬止まった。

動揺、してるのかもしれない。


「…何がや?俺の名前は徹やけど?」


「先生、私と会ったことない?

そのキーホルダー、先生のじゃない?

この飴も…覚えてない…?」



先生は、困ったような、悲しそうな顔で笑った。


「あのなぁ、徹って名前のやつはいくらでも居るからな?

それに、ヒナが知ってる“徹”の苗字はなんや?」


そう言われると答えられない。