先生のことが好き、とか、気になる、とかでは無い。



ただ…少しつっかかる。


“徹”という名前。

年齢。



もしも、あの“徹君”だったら。

…なんて、少女漫画でもあるまい。



「失礼しまー…」

“す”を言う前に言葉が出せなくなった。



先生が…“あのキーホルダー”を持っていたから。

さくらんぼが半分に分かれている、キーホルダー。

私の持っている反対側を。


「よ。」

そう言って、私を椅子に座らせた。



言葉が出なかった。

先生が…徹君…?



「これな。廊下に落ちてたんや。

ヒナ、この反対側カバンにつけてるやろ?

もしかしたらヒナとペアにしてた人のかなって。」