雨だった。


君と出会った日は。




高1の6月、じめじめとした梅雨の季節。

正直、雨は嫌いでは無い。


雨の中、傘をさしての下校道。



「…っ! ハヅキ危ないっ!」


後ろから声が聞こえて慌てて振り向いた。

…が、その時にはもう間に合わなかった。



私、葉月陽菜のクラス、

“1年2組”の担任の先生が

自転車で後ろから走ってくる。



止まることは出来なさそうな速さ。横に水溜まり。