「わかってるって、行かねーよ。」

「ふぅ…」

良かった、あんまり触れてこないみたい…

「海も大きくなったな。やっぱり近くで成長見ていられんのっていいのな」

あれ?ほんとに祥大?
ホントのホントに??
こんなこと言うのって祥大らしくないなぁ…

こうみたら…お父さんなんだよなぁ…

「なに?俺の顔になんかついてる?それともかっこよすぎて惚れた??」

あ、やっぱ前言撤回。
ただの自意識過剰なただのナルシストだった。

「ほら、ついたぞ?」

「え?ここって…」

目の前には、私があの日見た大きな家だった。
あの時はまだ工事中で。

「今日から、ここが俺とおまえと海の家な」

「嘘…」

「嘘じゃねぇよ?そんな心配なら…すまなくてもいいけど?」

「だ、だって…」

嬉しすぎて視界が涙で…
「んふぇ…祥大ぁ…」