「ふぁ…」
時刻は6時30分。
わたしは、いつもこの時間に起きる。
そして…電話をかける。
『プルルル…プルルル…』
いつものように呼び出し音が聞こえる。
『…はぃ……』
「おはよぉ…祥大」
『はよー…』
電話の相手はわたしの旦那さま…
赤城 祥大。
『今日は、ちゃんと起きれたんだなー』
「うるさいわね、わたしだって毎日大変なんだから!」
なぜ、わたしが祥大に電話をかけているのか…
旦那さまは、とっても朝に弱く…
会社に遅れてしまうからと…
わたしがモーニングコールをしている。
……おかしいんです。
私たちは結婚してるのに、一緒に住んでいないんです。
結婚したら、普通は一緒に住むでしょうッ!!
と、祥大にガツンと一発言ってあげたいですがね…
それが、言えないんですよ…わたしは。
『…聞いてる?』
「あ、ごめん…聞いてなかった」
前みたいなことが、起きないようにしっかりと聞いておかないと…
『だから、今日…お前の仕事終わったら駅に来い』
「あ、はいッ!」
『ふっ…なんで、敬語だよ』
「あ、いやぁ…えへへッ」
結婚してから、一週間…
祥大とは、一回もあってなかった。
会えると思うと自然と顔が緩む。
『海にも、会いたいけど…今日はお前だけな。海は…アヤメが預かってくれるから』

