「…たいしたことないし。じゃねーよ…」
「俺…もう無理だ…今まで我慢してきた…
舞…まじお前、無防備すぎる。
だから、簡単にキスもされんだろ。」
舞の目は見開く。
「そ、それは…勝手にあっちがしてきたからで…」
ムッと舞は言い返した。
「でも……ったく…そうかもしんねーけどさ…俺…」
次の言葉はきっと、俺は二度とこれから口にはしないと思う。
「嫉妬深いから……妬いてんだよ…」
俺は舞から目を逸らし、頬から両手を離す。
「お前、色んな男にモテすぎなんだよ…」
舞は驚いて首を横に降った。
「別にモテてないよっ」
「…」
それから俺は喋らなかった。
「そしたら、冬真もモテすぎたよ…」
そんな暗い声が教室に響く。
「そんな事ない…」
「あるっ」
「ない…」
「あるもん!」
「ないっつってんだろ、いいかげんにしないとその口塞ぐぞ。」
舞はそれでも反論しようとした。
俺は唇で、すぐさま舞の口を塞いだ。
「?!…ちょ……んん…」
それから、俺は口をはなした。
「またうるさくしたら塞ぐからな。」
舞はそれ以上は反論はしなかった。
それから無言の状態が続いた。
「…帰るか。」
俺は舞から離れ、カバンをとり
先に教室から出た。
舞もそれから、ついてきて
いつものように帰った。
俺達は公園に寄った。
ベンチに二人で座る。
俺は何もすることなく
舞を見た。
少しの変化に気づいた…。
舞の髪だった。
舞の髪を触る。
「髪…長くなった…」
「…?そう…?」
俺はコクッと頷く。
それから、ただただ時間が過ぎ
二人で黙って帰った。