舞は…
「ないよ。大丈夫。」
俺は信じられなくて…
「本当に、本当か?」
そう聞く。
だが、なぜか一瞬舞は間を開け
「…大丈夫だったよ」
俺はあまりに、舞が目を合わせてくれないので疑ってしまった。
俺は何歩か歩き舞に近づいた。
舞はなぜか、一歩さがった。
俺は舞の手首を掴み、そのまま壁に押し付けた。
舞はいつも以上に赤くなる。
俺はもしかして…と
「やっぱり風になんかされた?」
舞はそれから無言で、首を横にも縦にも振ろうとしない。
俺は胸がズキンと痛む。
俺は舞の手首を離し
舞の頬を両手で包み込んだ。
「俺の目、見て。」
それから舞は、ゆっくりと俺の目を見る。
「なんかされたんだ?」
俺がそう言うと、舞の瞳が潤む。
「でも、そんなたいしたことないし…」
舞は震える声で言う。


