「…つってもな…嫌われたしな…これ以上…嫌われたくねーな…」





俺は、さっきのとうとうの話を思い出した…













「ま、なんだ…わりぃ…」




俺は舞の手を離す。









舞はキョロキョロした様子。















やがて、なぜか微笑む。









「やっぱり悪い人じゃないね」












悪い人…じゃないか……








「そういう可愛い事言うと…理性保てなくなるうえに…、その首元にあるキスマーク隠したほうがいいんじゃない?」





舞は赤くなりすぐ、首元を手で隠す。









「そういうのむかつくから。だから、そんな顔で誘っちゃダメだし…



まぁ、一言で言うと……」










俺は舞を指で指しながら…








「無防備。」




舞は「は、はぁ…?」とよく分からない返事をする。










俺は心の中でため息をはく。







「だーかーら、…無防備すぎるから…すぐ、こういう事ができるの…」





俺はそう言って…










また、フェンスにガシャンと舞の方に体を寄せ、手を掴み


俺の口元は舞の耳の方にいく。









「まぁ、こういうのが簡単にできるってわけ…」








体がくっつきすぎて、舞の心臓の音まで聞こえてくる。



「だから…そうされたら、嫌な事は嫌だって言う。わかった?」






舞は赤い顔でコクコクと頷く。










これが、なんとも可愛らしい……







てか、俺…

……俺もドキドキしてるし…








俺はスッと離れる。









「あ、あの…」

舞は何かを言いかけたが
その後は口をパクパクさせるだけだった。









「んじゃ、またな。」


俺は聞くのもめんどくさく…



舞を屋上に置いていき、その場をあとにした。