いた…。
「舞…。」
切なそうにどこか遠くを見つめている舞がーーーー…
ゆっくりとこちらへ顔だけ向ける。
だが、驚きはしなかった。
「音無くん…」
そう呼ぶ。
「…。」
なんて言えばいいんだ??
とりあえず俺が近づかないと…
俺は舞の元まで行く。
てか…今思ったら舞って、ちっせぇ……
りす、、みたいだ…。
「…舞…その昨日の事は…ごめっっ…!」
俺は謝ろうとしたのに…
それを遮ったのは風だった…。
よりによって、ぶわっっときたから
謝るタイミングが…
消えた…。
なんなんだよ…ったく
「音無くん…」
強い風がすぎ、また俺を呼ぶ舞。
「…ん?」
「私さ…
音無くん…悪い人にみえない。」
…っ
……変なやつ…
「そか?俺、悪く見えない?勝手に舞の唇奪ったのに?」
舞は目を見開く。
「てかさ、簡単にそんな可愛い事言わない方がいいよ?」
「ぇ…」
俺は舞をフェンスまでおいこむ。
俺は片っぽの手で、フェンスに
ガシャンッと掴む。
舞は肩をビクッとさせる。
舞の背中はどうやらもうフェンスとくっついてるらしい。
「なっ…ちょっ…、どいてっ」
俺はもう片っぽの手で舞の口を覆う。
「静かに…ね?」
舞はコクコクと頷いた。


