最後の授業のチャイムが鳴る。
俺たちは気づかれないようカバンをとった。
それから学校を出る。
二人で歩く帰り道。
なんか、いつもと違うんだ…
もっと距離が縮まってる気がする。
俺は舞の歩幅に合わせ歩く。
舞は下を向いて歩いていた。
家が近くになるにつれ、俺の心臓はどんどん早くなる。
俺の足はもう俺の家の前に向いていた。
「ぁ…」
舞は俺の袖を掴みながら…
「冬真くんの…ご両親…」
俺に上目遣いで聞いてくる。
俺は目を逸らし
「ぁー…っと…明日の朝早く帰って来るけど…それまでに…な?」
舞はコクコクッ頷き、
「明日、学校だしね…」
なぜか照れながら言っている。
「あ!メールしてこないと…」
舞は俺から離れ、携帯をカチカチ打って…
しばらく経つと…
小走りしながら俺の元に戻ってくる。
「お父さんにいってきた。」
俺は「そっか。」と…。
舞の手を引き、俺の家に二人で入る。


