私は固まってしまって動けない。
陽暮くんの前髪は今日、とめていなくおろしていた。
それでその前髪が私の髪に触れる。
陽暮くんの顔は少し傾けられ…
私はもう何も感じていなかった。
もうすぐ唇と唇がつく。
あぁ…もう…ダメだ……
そう思った時ーーーーー…
バフッ
「ん?!!!!」
私の顔には柔らかいものが。
私は息が苦しくそれを剥がす。
「はは、先輩。ドキドキしちゃったぁ?」
ニコニコ笑っている。
さっきの音は私の顔面に枕をバフッとやったようだ。
「もうっ‼」
私は涙なんて忘れて陽暮くんに投げる。
「おわっ!!」
陽暮くんの顔面に見事、当たった。
「陽暮くんの前髪、変だよー」
私はクスッと笑いながら言った。
陽暮くんは私を急に見つめる。
「?」
「やっと笑顔になったぁぁ!」
ワーイワーイ喜んでいる陽暮くん。
私はわけがわからなく
陽暮くんを見つめる。


